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「はい、駄目ですよ」
エルさんから私を引き剥がす先生。もしかして、今、嫉妬してくれたのですか?
「クッ、せっかく良い雰囲気だったのに、人の恋路を邪魔するな」
それは貴女に言ってやりたい。先生の目の前で告白されてしまった私はどうなる。私だって告白してないのに。でも、先生に嫉妬してもらえた。これは、役得かな?
「三穂の生気を吸おうとしたでしょう」
純粋な心配でした。えっと、生気を吸うってどういう事ですか?
「バカを言うな。私は三穂から純粋に唇を奪おうとしただけだ。私が愛する女から生気を奪うなどするか」
どっちにしろ、悪いわ!うわぁ、鳥肌が立ってきた。
「大体貴様は三穂の何なんだ。三穂と恋人という訳では無いのだろ?邪魔ばかりするな」
「なっ、なんて事を先生に言うんですか!」
私と先生の関係なんて!先生、この女にはっきり言ってやって下さい。私と先生は貴女が割り込む隙間など無いほどの恋仲だと。
「僕は三穂の保護者です。だから、三穂とは適度な付き合いしか認めません。キスぐらいでとよかく言ったりしませんが、せめて、三穂の意思を尊重して、合意で行いなさい」
ハハハ、先生のとって私は保護対象なんですね。私が淫乱女に唇を奪われても良いんですね?
「失礼しました。お義父様!三穂を私に下さい。私は三穂を全力で幸せにしてみます」
凄く勢い付くエルさん。もう、好きにしてください。どうせ、私は只の保護対象ですよ。
「それは駄目です。三穂は私の大切な人ですからね。まだ手離す気は無いですよ。もし、三穂がどうしても貴女と居たいと言うのなら別ですが……」
「私は何時までも先生と一緒に居ます!」
私は先生の大切な人ですからね!
そして、顔をしかめるエルさん。
「ムゥ。ならば、私が三穂の元に嫁入りするしか無いな」
私は嫁を取る気などない。
だけれど、エルは勝手に家に住み着き、押し掛け女房となる。しかも、自発的に働きやしない。
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