狐と吸血鬼はこうして出会う

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昨日の疲れが残っているのか、まだ少し眠い。私の瞼は自然に落ちていき、夢の世界へ誘われていく。 そんな私の心を過る不安。 私は既に三穂に夢の世界へ誘われて居るのでは無いか? 全てを失った過去の現実世界から、三穂が私に与えてくれた今の夢の世界。 いつか、眼を覚まさなければいけない。夢の世界に逃げていても、過去の現実世界での己の業への報いは必ずやって来る。 でも、今はまだ夢を見ていたい。三穂が与えてくれた世界で、三穂や眼鏡や春川達と一緒に。……せめて出来るだけ長い夢であって欲しいと願う。いつか来る未来の、現実という名の刑が執行されるまで。 その時が来ても、私は三穂の彩るこの世界に存在して良いのだろうか?
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