42人が本棚に入れています
本棚に追加
/125ページ
「久しぶりですね。貴女とこうやってふざけ合うのは。……ありがとうございます。当初の目的とは違いましたがやはり春川さんに来て頂いて良かったですよ」
突然、無邪気に笑う渡部。やっぱり、渡部はムカつくぅ。
何気なく私の方が元気付けられた気がするんだよね。
「でぇ~?当初の予定では私をここに連れ込んでどうするつもりだったのかなぁ?」
「僕も男ですからね。たまには絶世の美女にご相伴願おうかと思いまして」
茶化すように笑う渡部。
「ばればれの嘘つくなよ、生臭宮司。警察なめんなよ~。さあ、全て吐きたまえ」
酷いジョークだぞぉ。酒気が抜けちゃただろぉ!顔に朱気が溜まっちゃただろぉ!……もしかして、ほろ酔いの私に、その、何やらをする気じゃあ……
「いえ、僕がもしも、うっかりと、あの人に斬りかかるような事が合ったら止めて頂こうかと思いまして」
……ありゃりゃ、マジで言ってやがりますか、このクソ宮司。
「出来るかぁ~!」
店のお方が私の大声で駆け付けて来るまでに渡部の顔は腫れていた。
渡部の何故グーパンチを喰らったのか分からないといった顔がとても憎らしかった。
そして、やっぱりごめんね。タマちゃん。こんなショウ君と一緒に居ると楽しい私。こんなショウ君といつまでも一緒に居たい私がここにあるんだよ。
だから、いつもショウ君の心の側にいれる人間じゃない貴女が羨ましい。ごめんね、タマちゃん。そして、三穂ちゃん。
ちびッとだけ、ショウ君を借りるよ。
最初のコメントを投稿しよう!