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私の周りに風が吹いた気がした。
「強い、異思。あのね、人の強い、思いからは、異思が、生まれるの。異質な思い、で、異思。それ、悪霊みたい、人に、害なす。」
女の子が話し出した。
淡々と感情を込めずに。
そこにある文を読んでいるかのように。
「異思、倒す。それが、月騎の、仕事。私は、魂運ぶ、仕事。ここに、仕事は、まだ、ないよ。」
女の子は続ける。
私は驚いて女の子を見た。
「本当に?」
「うん、本当だよ。おばさんの異思が、おばさんの命をつなぎ止めてるから。」
私の質問に男の子が答えた。
私の異思?私から生まれたの?異思ってヤツが?
「異思が異思を生み出した人を生かすために力を使うなんて、珍しいんだよ?俺もめったに見たことない。」
男の子はニコニコ笑いながら、目を輝かせ、私を見ている。
珍しい、か。
それほど私の思いが強かったのかな?
「月騎、仕事、行こう。」
「あぁ…そうだな。」
2人はふと、立ち上がるとどこかへ行こうとした。
仕事、かな?
「麻里。あなた、今は、異思、あなたのため、働く。あなたが、生きたい、思うから。でも、負のこと、世界を、呪うようなこと、思えば、異思、暴れ出す。人を、殺し出す。あなたの子、だって、危ない。世界を、人を恨むな?あなたの、異思暴れたら、あなたの、異思、月騎が壊す。そのとき、あなた死ぬ。私、あなたを、天に、連れてく。生きたければ、負に、そまる、な。」
女の子はそう言うと消えた。男の子と一緒に。
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