醜い子、寂しい。

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  僕の両親はとっても綺麗な人たち。 お姉ちゃんも綺麗な顔をしている。 なのに。 僕だけはとっても醜いお顔。 いつも、お母さんやお父さん、お姉ちゃんに汚いものを見る目で見られるの。 あの目、嫌。嫌い。 神様、何で僕にも綺麗はお顔をくれなかったのですか? なんで、綺麗な姿で生まれさせてくれなかったのですか? 僕ね、病気なの。 もうすぐ、死ぬんだって。 それを知って、お母さんたちは僕にお部屋を用意したの。 僕だけのお部屋。誰も来ない、僕しかいない、ひとりぼっちのお部屋。 寂しいよ。寂しいよ。 でも、僕の顔は醜いから、だれにも見て欲しくない。 でも、誰かにそばにいて欲しい。 寂しいよ。 誰か、来て。  
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