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パチンッ
「───え…?」
私は驚きのあまりに、つい声をもらしてしまった。
指をならしたときにでる、あの音。
あの音が聞こえた瞬間。
全ての音が消えた。
全ての動きが消えた。
まるで、世界の音に、動きに、それらを止めるスイッチがあって、それを誰かが押したかのように。
パチンッという音と同時に全てが消えた。
これは………時間が止まった、ってことなの?
「日守、何かしたの?」
男の子の声が不思議そうに言う。
「時間、止めた。今回の、異思、強い。やっかい。」
女の子の声が響く。何かを抑えるように、ゆっくりと話す声。
「どうやって??」
男の子の声が女の子の声に興味津々に聞いた。
「月騎には、無理。知っても、無駄。」
女の子はバッサリと斬りつけるかのように言う。
実際、心を斬られたようで、男の子の声は沈み、やっとのことで、…そうとつぶやいた。
音が消えた空間に、2つの声がした。
私と同じくらいの歳の声かな?
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