14人が本棚に入れています
本棚に追加
/103ページ
女の子は男の子に言い終わると、私に近づいてきた。
「異思は、人の、強い、感情から、生まれる、悪霊の、ようなもの。それ、倒す悪魔の、あれの、仕事。」
女の子は男の子を指差し言う。扱いがヒドイのは気のせいかな?
「私の仕事、魂運ぶ。でも、魂、ない。私の、仕事、ない。」
ふぅとつまらなさそうに女の子は言った。
「でも、それは、普通なら。今回は、違う。今回の、異思、強い。だから、私が、倒す。」
めんどくさそうに女の子は言う。
女の子の目はどこか遠くを見つめていた。
「…来た。沙耶は、月騎に、守って、もらってて。」
女の子は有無を言わさない迫力で私と、男の子に言う。
なんで、私の名前…
「……わかった。」
そう男の子は女の子に答え、私に近づいてきた。
「俺から離れるなよ?」
それだけ言うと、男の子は女の子を見た。
……あれ?
私と男の子を囲むように、透明の膜がはられてる?
これはなんだ?
恐る恐るそれに触れてみた。
ぶよぶよしてる。
これはなんだろう?
「アハッ♪♪キミ、天使?♪」
私が頭をかしげると同時に声がした。
女の子のものとも、男の子のものとも違う声。
私は声のしたほうを見た。
え…どういうこと?あれって───…
「私…?」
髪もおろしてるし、制服も着崩してるけど、あれは私だ。
なんで、私が?
「あれは、異思。あなたから、生まれた、異思。」
女の子が言った。
異思って、さっき話してたヤツ?
あれ、本当のことなの?
「あー!!沙耶だぁ☆僕を生んでくれた、沙耶だぁ♪♪」
異思、が私を見て言った。
最初のコメントを投稿しよう!