水たまり

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ホームルームやり過ごして あいさつ早々切り上げて 靴箱のフタ、バタンと閉めて 雨の上がったグラウンド 校門抜けても全速力 誰もアタシを止めないで 今日はデート初デート おめかししたいお年頃 ちゃんと悩んでキメたいじゃん カッコ気にするヤツじゃないけど 幾千万の妄想の シミュレーションがぐるぐると なんの胸のドキドキか わかりにくくてしょうがない 角をゼイゼイ左に曲がると 立ちふさがるのは水たまり 何もわざわざ道いっぱいに 大きすぎるよ水たまり さてどうしようとしゃがみこむ 脇からネコがひょっこりと ピチャピチャ水を飲みだした 小さな波紋が広がって 鏡みたいな水たまり そこにはきれいな空があり 何より白い雲があり しゃがんだアタシとネコがいて そう オシャレに興味はなくっても なんでもないこういう話しを ニッコリ笑って聞いてくれる そういう人だ アタシが想ってる人は ネコの頭をひと撫でして 大きな水たまりを飛び越えて さあ、彼に会いにゆこう 小さなことだけど どこにでもあることだけど きっと何かステキなものの 忘れられないものたちの はじまりなんじゃないかって アタシ、ワクワクしているよ
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