第九章 明楽と学都の意地

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学都が奥義発動と唱えると地面の紋章が次々と輝きだし、紋章同士が光を繋ぎあう。 「バ、バカな…奥義?」 狼狽える水切。 しかし助かる道はもう無い。 ――ドォォォォオォォォオンン!!! 巨大な光の柱が、水切を襲う。 「いくら奥義とはいえ、貴方のHPを全て奪うことは不可能でしょう。 ま、心地よく気絶でもしていてください」 ――魔法使いの奥義は他の職業とは違い、多数存在している。 普通、1つの職業に1つの奥義というのが奥義の特徴なのだが、魔法使い系統だけ違うのである。 それは奥義それぞれに『発動条件』があるからである。 今回のシャイニングブラストは紋章を5芒星のように配置することであった。 紋章はブラストを発動した場所に置かれる。 ここまではいいのだが、問題は相手が5芒星の中にいなければ、意味がないということである。 一長一短な魔法使いの奥義、使うのにはそれ相当の策略がなければ使いこなせないのである。 「おう、終わったのか?」 闘い終えた明楽は無傷で学都の元に歩み寄る。 ……学都も無傷ではあるが。 「余裕ですよ。こんな変態に負けるわけ無いでしょう」 ――プレイヤー同士の闘いに、レベル差はあまり関係がないということを知らしめた2戦であった。
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