0.1‐屋上

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「…邪魔臭ェ」 ぽつりと愚痴を漏らした。 が、そうしたところで何かが変わる訳でもない。 はァ…と溜め息を吐き出し、肩を落とした俺は、憂鬱な気分を誤魔かすかのように、もう一度空を見上げる事にした。 その時。 授業中にも関わらず、バンッ!と派手に、屋上の扉を開ける音が耳に届いた。 怪訝に思った俺は振り返る。するとそこには、俺の苦手な奴――白萩優斗が立っているではないか。 「高杉君、探したよ」 声が掛けられる。 だが、コイツの相手をするつもりが無かったので俺はそれを無視した。 にも関わらず、相手は気にすることもなく話を続けてくる。 「先生が呼んでるから。教室に来てくれない?」 「………」 「五十嵐先生が、待ってるんだ」 その言葉にチラリと視線を向ける。俺は、眼帯で覆われていない方の右目で相手を捉えると、上から下まで白萩の事を観察した。
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