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白萩優斗。
コイツは俺と同じクラスの委員長だ。
俺とは違い優等生で、真面目。奴を見ればそれは一目瞭然のことだと思う。
優しそうな顔。
いかにも“何でも出来ます”という雰囲気を出している眼鏡。
夏だというのに制服の釦はキッチリと全部留めてあり、ネクタイは襟元をキツく締め付けている。
俺とは全く正反対だ。
俺の場合は、鋭い目で相手を威嚇し、誰も寄せ付けないようにしている。制服の釦も、まともに留めたことなんかない。
白萩のようにネクタイも締めているのだが……かなり緩められているソレは、もう役割を果たしていないと言ってもいい。
プラス、二日前から存在する左目の眼帯。コイツの所為で、更に不良度合いが増したのか、無闇に近づいて来る奴が減った。
一匹狼の俺にとっては、嬉しい限りの出来事だ。むしろ好都合。
「………」
――なのに。
担任の五十嵐と白萩の二人だけは、そんな俺にも臆することなく近づいて来る。
…いや、騙されるな。
どうせ“高杉家”が目的なんだろ?
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