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もし、もしもだ。
そんなアイドル的な存在からの呼び出しを、無視なんかしたら一体どうなるか。
…恐らく、ファンクラブの女共が黙っていないだろう。普段は俺にビビってる癖に、そういう時になると何故か女は強いから厄介なのだ。
「……」
散々文句を言われ、責められている自分を想像する。それだけで、酷く憂鬱な気分になった。
俺はそんな憂鬱な気分を誤魔かすように、左手で乱暴に頭をガシガシと掻くと、本日二度目の溜め息を吐き出していた。
…仕方ねェ。
行くしかねェか。
何も言わず歩き出す。
目的地は勿論、五十嵐の待つ教室だ。
「どこ行くの?」
「あ? 教室だよ、教室」
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