0.2‐読めない男

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自分の教室に来て立ち止まる。 白萩がちゃんと自分の後をついて来ているか気になり、チラリと視線を向ければ、奴はゆっくりとした足取りでコチラに向かっていた。 それを確認し、思い切りドアを開けてやる。 すると授業中だった為か、クラスの奴等が一斉に俺を見た。だがそれを気にすることもなく、俺は祭壇に立っていた五十嵐の元へと歩く。 「よォ、来てやったぜ」 声を掛ける。 すると五十嵐は、ただ黙って俺を見た。 その視線に若干いたたまれなくなり、不器用に“何だよ”とだけ言った。
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