第1章 ひろっちゃった…

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どうしよう・・・ 若そうに見えるけど、まさか未成年ってことはないよね? 家出少年だったりして? もしかして、私犯罪者になっちゃう? いやいや、考え過ぎよね・・・ 取りあえず、明日考えよう。 クローゼットから毛布を出して引きずるように抱えてソファーへと移動。 少し固いけどまあ、今日だけだし我慢するか。 起きたら7時を少し過ぎていた・・・ 「遅刻」ですから!!! 私は洗面所へ駆け込み素早く洗顔を済ませると、歯ブラシくわえたまま、寝室へダッシュ。 一気に着替えを済ませ脱いだ服もそのままにカバンに手を伸ばす。 そして私一瞬凍り付く。 その子は驚いたような顔で私を見ていた。 忘れてた。いたんだった。 でも時間ない。次の電車に乗らないと・・・ 私は歯ブラシくわえたまま早口で話しかける。 「熱下がった? 悪いけどこれから仕事なのよ、適当に冷蔵庫の中の物食べていいから、帰る時は、鍵閉めてドアポストから中に鍵入れといて。」 そう言って、合鍵をポーンと放り投げた。 「それじゃ、行ってきます。」 洗面所で口をすすぎ、靴を履くと家から走って駅へと向かう。
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