邂逅

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金髪の癖っ毛に規格外のガタイ。 その上、一見して西洋系とわかる彫りの深い顔立ちだった。 僕は知らず知らず(すが)るような眼をしていたに違いない。 彼は目が合った瞬間、見ず知らずの僕の元に 跳んできてくれた。 そしてドアに両手をかけ、の怪力で()じ開けた。 「入れっ」 彼の歯切れよく響く声に即され、僕は電車に転げこむ。 と同時に盛大に(つまづ)き、思わず目を閉じた。
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