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建物の中は砕けたコンクリートの粉塵が舞っていた
「桜井?大丈夫かー?つかどこにいんだよ」
最後の一言は半ば独り言のようなものだったがそれに応えるように後ろから声が掛けられた。
「全然余裕だよ」
「な…生きてる」
「生きてちゃ悪かったかぁ!?」
「とりあえずアレだ、アレ。アレの確認を」
「霊装だよバーカ」
「んだと!?テメェの方がバカみたいな面してんじゃねぇか!」
「まあ、俺から言わせれば2人共馬鹿だけどな」
ナオと桜井がギョッとして振り返る。だが振り返った瞬間、敵の拳がナオの腹の真ん中あたりに突き刺さり、そのまま数m転がっていく
「がぁっ……!」
「いやぁー。流石に効いたよ。超能力?だっけ確か。魔力の精製が無いおかげでどのタイミングで来るのかわからなかったし」
そう言う魔術師は傷一つ負っていない。
「(無傷…だと?)」
立ち上がろうとするナオだったが上手く立ち上がれず壁に手を付けた瞬間、その行動を制止するように桜井の右手がちょうどナオの顔辺りに来るように、少しだけ腕が上げられていた
「後は任せろ、俺がやっとく」
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