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 彼女と別れてから 日々は確実に過ぎてゆき 季節は彼女と別れた初秋から、雪が舞う‥受験本番の冬。 彼女のコト、 悔しがるようなイイ男に生まれ変わるだなんて、 それは明らかに引き摺ってる証拠かな。‥なあんて他人事に思いながら 僕は、未来に向かって受験勉強に精進してきた。 「にゃーん」 「そんな急かすなよ。 兄ちゃんの緊張も分かれよ」 「にゃー」 僕の猫可愛がりは、遂に自分を‐兄ちゃん‐と称する域に達した。 まだ‐パパ‐じゃないコトを褒めてほしいな。 結局、 名前は‐猫‐なので、猫に対する愛情が有るんだか無いんだか‥ 「にゃー――」 「もう 分かったったら~! 猫、開けるぞ?」 僕は今、自分の学習机に着いて、一通の封筒とハサミを手にしてる。 震える手で開封をするのは、大学の合否通知で‥ 「やっっったぁ~!!!! 猫!今夜は最高級のカンカンごはんだぞっ!!」  
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