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「君、なんでしょ?
写真、おめでとう。
それと
‥ありがとう。
私、困ってたの。
あいつ、ストーカーみたいでウザかったのよ!
てか、刃物で脅すのストーカーよね。完ぺき!
君の写真が証拠になって、父に頼んで法的に処分して貰ったのよ。
重ねて礼を言うわ」
僕の目の前に居たのは、鮮やかな美人だった。
色で例えたら真紅。
血統書付きの、疵(キズ)も翳(クモリ)も無い、自分を知り尽くしたお嬢様タイプ
悪く言えば、
高飛車で自信家で、安い男は空気程しか思わないタイプだ。
「お前、呼ばれてるんだけどさー
ほら、あそこ」
「あ?うん。ありがとう」
「(ボソッ)学校一の美人先輩が、何でお前のコト知ってんの?」
「はあ!?誰だよ!
って!
あぁ、なんだ‥」
わざわざ僕の教室まで来てくれた彼女。
この時点で僕は、何故あの写真をコンクールに出したかの、抗議だと思って
肩を落としながら、内心怯えていたんだ。
滅多に使われない階段の、踊り場まで連れてかれて、僕の考えとは違った彼女の言葉に、僕は驚いたんだ。
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