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そういうのに疎いから、よくは分からないけど
多くの高校生が着けてるような、安っぽい香水とは違う
残り香が消えなそうな、高価そうな香水
ただ塗るだけじゃない計算された化粧は、唇が印象的で大人の雰囲気。
僕は気圧されながら、
けど、背だけは勝ってるから見下ろして、彼女の言葉を待ったんだ。
セーラー服のリボンの色を見て、初めて彼女が二歳上の三年だと判った。
ふと、
どうして僕は此処に居るのかと、混乱した頭が現実逃避を始めて苦笑いした。
「君にお礼したいわ。
あの写真、コンクールに出したので、チャラにしてあげようと思ったけど
あれ、顧問の仕業って聞いてね。
君自身にお礼しなきゃって、考えたのよ
あの現場で、シャッターを押すなんて危険、勇気がなきゃ出来ないでしょ?
ちょっとだけ君に興味も有るの
お礼、させてくれるわね?」
ホントは意気地の無いだけの僕
凛とした彼女に逆らえる訳もなく。
大人で美人の先輩の雰囲気に呑まれたまま
何故だか
気付いたら僕達は、付き合ってる事になっていて‥
そして
何故だか
今まで何事もなく
そう、僕にとっては何事もなく。
今日まで二年も付き合っていた。
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