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担任に合唱部に勧誘された次の日、生徒会主催の1年を対象にした部活動紹介が行われた。 各々の部の部員たちがステージに立ち、活動内容や実績などを話して、部活を紹介し、新入部員を募るという主旨らしい。 出席番号順に並ばされた体育館で、俺は加藤と一緒にふざけた話をしながら、適当に聞いていた。 いくつかの部活紹介が続いた後、司会の生徒会役員の言葉が耳に入る。 「続きまして、合唱部の発表です」 俺はお喋りをしていた口をつぐみ、舞台に注目した。 前日に担任に勧誘されたからか?それとも、俺の持っている音楽への熱い気持ちのせいか? いや、俺の視線を釘付けにしたのは、そのどちらのせいでもない。 舞台の中央には、俺が2年前に失恋した相手が立っていたんだ。 やがて、ピアノ伴奏に続いて始まったのは、東山高校の校歌。 俺は、固まってしまったかのように、微動だにせず、舞台を見つめていた。 今までうるさかった俺がいきなり黙ったので、加藤が不思議そうな目で俺を見ている。 「どうかしたか?」 肘でつつかれたけど、俺はそれにすら気付かないほどに舞台を、彼女を凝視していた。 そう、本郷理穂を。
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