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正式に俺たち1年の入部が決まった日、森田先生が、皆に俺の父親が教えに来ることを告げた。
先輩たちには、戸惑いもあるようだったが、先生の強い意思を感じ取ったのか、真っ向から反対する者はいなかった。
そして、翌週には父親が学校に来た。
森田先生が家に来た時は家庭訪問だと思ったが、これはまるで保護者会か授業参観だ。
それが、これから毎週あるのかと思えば気が重いが、入部は自分で決めたことだし仕方ない。
父親による練習の間、俺の予想した通り、父親は彼女を何度も名指しで注意した。
部活紹介の時ほどではないが、やはり彼女の声は突出していた。
父親は、そういうのを一番嫌った。
合唱なんて、協調性の塊みたいなものだ。指揮に合わせる、伴奏に合わせる、パートで合わせる、他のパートと合わせる。
周りに埋もれてしまうのも良くはないが、自分を出しすぎては、全体のバランスが崩れて、いい演奏とは言えなくなる。
技術的なことも教えはしたが、父親が合唱指導でいつも言っていることは、この協調性のことだったのだ。
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