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夏の夜。
外は蒸し暑く、そしてこの屋敷も外と同じだ。
障子も全部開けているが、蝉の声が大きくなり、 余計に暑く感じる。
今のところ二人部屋だか、平隊士達など男同士で布団を並べ暑苦しくむさ苦しく眠っているだろう。
「……暑い、ですね」
「そうですね………」
月明かりに照らされた少年の額からは汗が滲む。
また、暑いながらも横になることを余儀なくされている「少年」の額からも。
「これじゃあ寝れませんよね。総司さん」
「貴女は寝るべきですけどね。睦月さん」
はい。と大人しく寝に入る彼女に笑顔を向けると、総司は月を見上げ溜息を吐いた。
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