帝国の少年

2/2
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
2024年 8月19日 午前7時10分 東日本帝国首都 東京 池袋区住宅街 -只今入ったニュースです… 我等の誇り高き東日本帝国陸空軍が、西日本国領土である岐阜県を完全掌握したとの情報が入りました… 東日本帝国軍の戦死者数は約三千人前後と見られ、一方…西日本軍の戦死者数は二万五千を超えるとされ、我が軍の圧倒的勝利となり… 『………………』 食パンをかじりながら、ぼ~っとした目でニュースを見つめるツンツン頭の少年 『-よっしゃあぁっ!!勝ったっ!!俺達帝国軍の大勝利っ!!』 ぼ~っとした少年の隣に座る、ふわふわパーマの少年が喜び叫ぶ 『-…バカみてえ…何が嬉しいんだよ慶二(ケイジ)』 呆れた表情で慶二を見る少年 『あぁ!?…お前はこのニュース聞いて何でそんなテンション低いワケよっ!!?俺達の国が勝ったんだぞっ!!?』 『-…………』 何も言わず、ただ食パンをかじる少年 『ったく…何でお前がエリート軍人の家系に生まれたんだろなぁ…親父さんは空軍准将…お兄さんは空軍上級大尉…そんでもっておばさんはエリート中のエリート…空軍技術研究大佐-』 『-そんな事どうでもいい…学校行こうぜ』 少年は眉間に皺を寄せながら立ち上がり、早歩きで玄関に向かう 『-あ、おっ…おい蒼太っ!!待てってっ!!』 池袋第七高等学校一年生、尾見苗蒼太が玄関のドアを勢い良く開け、学校へ向かう 少年達のヴァルキューレ 宇谷尋壬
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!