やっぱり

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  それでも進んでいれば、たどり着いてしまうわけで。 軽快な足取りでベンチに向かう結奈のあとを何故か重い足を引きずりながらついていく。 「よいしょっと」 「叶ちゃんオヤジくさぁー」 「うるせ」 ベンチに2人で腰かけて辺りを見渡す。 昼間なら子供たちで賑わっているこの公園もこの時間になれば、たまに犬の散歩のおばさんが通るだけ。 つまり今、この公園には俺と結奈しかいない。 「ねぇ叶ちゃん?」 「ん?」 「今日楽しかった?」 なんだ?いつもならそんなこと聞かないだろ? 「うん。いつも通り」 そうか来年は彼氏と過ごすからか?結奈は楽しかったんだろうか。 「じゃあなんでときどき悲しい顔してたの?」 「―――っ!!」 ドクン。 急に心臓の鼓動が大きくなる。 ――あぁやっぱり "いつも通り"になんて "普通"になんて 過ごせていなかったんだ。 無意識のうちに 無かったことになればいいと望んでいた。 やっぱり ――諦められなかったんだ。
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