一話

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右手に握っていた椅子を天井近くまであげ私めがけて、降り下げてきた。 椅子から目を離さずに私は、避ける体勢に入ると、 「離せ!ヒロ」 間一髪ヒロと呼ばれる、茶髪の男がユウを後ろから、取り押さえてる。 椅子が地面に落ちた、鈍い音を立てて、 「ちょダメだって!! 入学初日で退学とかバカみたいだろ」 ヒロはユウを必死でなだめている。 私は、椅子が地面に落ちる音で我にかえっていた。 しまった―。 おそるおそるあたりを見回してみると、 女子は唖然としている。 男子は、この世の終わりを見るような目をしていた。 「関係ねえ! こいつ、ぶっ殺さなきゃ気がおさまらねえんだよ!」
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