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教室に入って、辺りをキョロキョロと見渡しながら、決められた席につく。
椅子に座ると睡魔が襲ってきて、机に顔をうずめる。
「そこ俺の席だけど」
聞き覚えのある声が私に話しかけてきた。
「はい?」
眠いマブタをこすりながら声のする方をむいた。
声の主は頭を掻きながらさっきより大きな声で、
「俺の席だってつってんじゃねえか!!!」
私はびっくりして声の主の顔を凝視する。
さっきの銀髪の男だ…
私はちゃんと自分の席を確認したはず。
「ここ私の席なんですけど…」
銀髪の男はイラついた口調で、
「あん?俺が間違ってるつうんか?人を疑う気か?コラ」
なんだコイツ…
今私を疑ってんじゃねえか。
「ユウちゃん、違うって、その子の左隣の席だよ。」
後ろの方で人懐っこい声がした。
ユウと呼ばれる銀髪より、少し低いくらいで、モデル並みにスラッとした、茶髪の男が立っていた。
「ごめんね、俺がちゃんと席教えたはずなんだけどさ」
茶髪の男は両手を合わせて私に謝るポーズをする。
なんか感じの良い人だなー。
「いえいえ、間違いは誰にでもありますよー」
「お前だけしかいねえよ」
ユウはそう言うと鼻で笑い自分の席についた。
こいつ。
ぶっころす!そう心の中で決意した。
つか隣かよ!!
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