一話

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教室に入って、辺りをキョロキョロと見渡しながら、決められた席につく。 椅子に座ると睡魔が襲ってきて、机に顔をうずめる。 「そこ俺の席だけど」 聞き覚えのある声が私に話しかけてきた。 「はい?」 眠いマブタをこすりながら声のする方をむいた。 声の主は頭を掻きながらさっきより大きな声で、 「俺の席だってつってんじゃねえか!!!」 私はびっくりして声の主の顔を凝視する。 さっきの銀髪の男だ… 私はちゃんと自分の席を確認したはず。 「ここ私の席なんですけど…」 銀髪の男はイラついた口調で、 「あん?俺が間違ってるつうんか?人を疑う気か?コラ」 なんだコイツ… 今私を疑ってんじゃねえか。 「ユウちゃん、違うって、その子の左隣の席だよ。」 後ろの方で人懐っこい声がした。 ユウと呼ばれる銀髪より、少し低いくらいで、モデル並みにスラッとした、茶髪の男が立っていた。 「ごめんね、俺がちゃんと席教えたはずなんだけどさ」 茶髪の男は両手を合わせて私に謝るポーズをする。 なんか感じの良い人だなー。 「いえいえ、間違いは誰にでもありますよー」 「お前だけしかいねえよ」 ユウはそう言うと鼻で笑い自分の席についた。 こいつ。 ぶっころす!そう心の中で決意した。 つか隣かよ!!
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