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「シズちゃん…」
他の皆がきちんと授業を受けている間、臨也は一人で屋上に来ていた。
最近臨也の頭を占めているのは静雄で、一人になったときなどはいつも考えるのは静雄の事ばかり。
いつから恋をする乙女のようになったのだ。と自嘲するも決して叶うことの無いこの想いに胸を痛めていた。
そんなときだった。
自分と静雄の繋がりを無くしてしまったら、どうなるのだろうと。
今までは喧嘩をして繋がっていたが、今はどうだ?自分から相手を避けて断ち切っているではないか。
そう考えたら居ても立っても居られなく、屋上から静雄の居る教室まで走っていった。
そしてタイミングをはかり、静雄の後ろまで来ればニィッと笑みを作り何故かズボンのポケットに入っていた輪ゴムで静雄の髪の毛をてっぺんで縛ったのだ。
そして、授業中のシィンとした空気の中、さも可笑しいと言うように臨也は笑いながら教室を出ていった。
「あっはははっ!俺に気づかないなんてシズちゃんもまだまだだねぇっ!」
突然の事に驚きを隠せずに静雄は固まっていたのだが、何が起こったのかを確認すれば授業中にも関わらず面白そうに笑う臨也を追いかけたのであった。
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