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「す、好きって…俺の事?」
「はい」
冗談だろう?
そう思って聞けば、見たことのある真剣な眼差しを返され、思わずドキッとした。
この目は、前にも見たことがある。
その眼差しを見ていられなくて、視線を落とした。
「男に告白されて、気持ち悪いかもしんないっすけど…本気で好きなんです」
本当に本気なんだろう。
視界に映る彼の手が、固く握られて白くなっている。
震えているようにも見えるその手に、真剣な声色に。
俺は何も言えなかった。
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