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カエルがピタリと動きを止める。
「……カエル馬鹿にすんな、このやろう!!」
「カエルさんまで、やめてください!」
カエルもケンカに加わって、赤ずきんが止めに入る始末だ。
「カエルは、姫が生まれるのを予言したりするすげぇ生き物なんだよ!王子にはできない芸当だろ!」
「そんなことできなくても、僕らにはちゃんと姫がいますから!」
「ガラスの靴なくしたくせにか!?」
シンデレラの王子が図星をつかれ、口をつぐんだ。
「姫を見つけられないなんて、王子失格なんだよ!」
カエルがビシッと王子に人差し指を指す。
その言葉に、シンデレラの王子はがくっと膝を折った。
「そうだ……僕はもうダメだ……。ガラスの靴をなくして、どうやってシンデレラを探せというんだ……」
「王子、何もそんなに落ち込まなくても……」
「そうですよ!方法がない訳じゃ――」
いばら姫の王子と白雪姫の王子が、励ます。
「いや……僕なんかもうダメだ……ダメダメ王子だ……」
「そんなことありませんよ!貴方はいい王子ですよ!」
「いばら姫の王子……」
「きっとシンデレラも見つかりますよ!王子!」
「白雪姫の王子……」
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