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「でもプリンス・チャーミングって、少し恥ずかしいです」
「んじゃ、どうすんだよ」
魔女の言葉に、シンデレラの王子は首をかしげてから、手を叩いた。
「そうです!せっかくの機会ですから、僕らの名前を考えましょう!」
「わぁ、それいいですね!」
白雪姫の王子が賛成する。
「どんな名前がいいですかね?」
「そうですね……じゃあ僕は、シンデレラの王子なので、シンと名乗ります!」
「なるほど!じゃあ俺はいばら姫の王子だから……イヴァンと名乗ります!」
「じゃあ僕は……白雪姫の王子なので、ハクと名乗ります!」
「おぉ、いいですね!……ハク」
シンデレラの王子改め、シンが呼びかける。
「わぁ……なんか、照れますね」
白雪姫の王子改め、ハクが頭をかく。
「ありがとうございます、シン」
「ハク」
「シン」
「ハーク」
「シーン」
「殺すぞ、お前ら」
魔女の冷たいツッコミ。
「でも確かに嬉しいですね。俺らは、お姫さまあっての王子ですから……名前なんて考えたことありませんでした」
いばら姫の王子改め、イヴァンが呟く。
その笑顔が少し寂しそうに見えた。
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