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「――ちょっと待て」
魔女が顔を上げる。
「お前は誰の王子だって?」
「僕は白雪姫です」
「お前は?」
「シンデレラです」
「お前は?」
「俺は、いばら姫です」
「……なんで違う物語の王子が揃って出てきてやがる」
その場が静まりかえり、王子全員が顔を見合わせる。
しばらく沈黙が続き、そしていばら姫の王子が代表して言った。
「――なんででしょう?」
「馬鹿にしてんのか」
魔女のツッコミが突き刺さる。
「とにかく、僕はシンデレラを探したいんです。魔女さん協力してください!」
「ちょっと待ってください!僕だって困ってるんです!僕の相談の後にしてください!」
「ちょっと!一番始めにいたのは俺ですよ!順番で言うなら俺が一番最初です!」
「ちょっと皆さん!ケンカはやめてくださいよ!」
カエルが慌てて止めに入る。
しかし負けじと、シンデレラの王子と白雪姫の王子が言い返す。
「カエルは黙っててください!」
「そうだ、そうだ!脇役はひっこんでてください!」
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