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Part1
今日も夢で満希との楽しい時間が待っていると思っていた。だが、違った。僕は今、昔の夢を見ている。
廊下で同級生と擦れ違う時に殴られる。彼らは自分から殴ったくせに、汚いものを触ったかの様な態度をとった。
教室に入ると、僕のランドセルや机の中に入っていた物が散乱しているのを目にする。その横では、その散乱している教科書やノートをフリスビーの如く、筆入れや傘を槍投げの如く、ゴミ箱に向かって投げ入れているクラスメイト達を目にした。
次々と悪夢が繰り広げられる。
「こっち来んじゃねーよ」
「うわっ、きたねーな 触るなよ」
「キモイからこっち向くなよ」
「なあ、もう死ねば?」
皆が僕を虐めている。
「やめて・・・やめてよ・・・・」
痛いのは嫌だ。苦しいのは嫌だ。傷つくのは嫌だ。
殴らないで、蹴らないで、悪口を言わないで……僕を虐めないで。
「もうこんな世界は嫌だっ!!」
そう叫んだ瞬間、夢の世界に罅が入り、崩壊した。そして、新たな世界が構築されていく。
「満希…」
満希に助けを請うように呟いた。
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