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父上に一度
彼に会いに行くといい、と紹介を受けた。
彼、というのは
父上の御友人でありながら
切れ者で立派な方と聞いた。
話には聞いてはいたが
実際にお会いしたのは
聞いていた頃から
もう、だいぶ時は経ていた。
都会を離れた農村に
彼の住処を見つけ
少し声を張り
彼の名を呼ぶ。
彼はすぐに応答した。
土壁に設けられた戸は
滑らかには開かず
突っかかりを強引に開けようやく彼の顔を拝見する。
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