始まりよければ

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「なんで時間ギリギリなの?」 「俺が遅らせた」 「もう、なんでそんなことするの?」 い、言えない。 寝坊を怒られたからとは決して言えない。 幼なじみだからって毎朝起こしてもらうの迷惑とか言ったら悲しみそうだし。 「黙ってたらわかんないよ?」 黙ってたら可愛い。 なんて言えん。 まあ無視の方向で。 「聞いてる?」 「顔が近い」 ちょっとドキっとした。 ええい、相手は麗子だぞ。 中学時代より可愛くなったとか思うな。 俺には天使は1人だけだ。 「ドキドキ?」 「イライラ」 「なんで?」 「カルシウム足りない」 そこでまた顔を近づけるな。 彼女かっつうの。 なんて言えないけど。 「相変わらず仲いいな」 「相変わらず遅刻ギリギリだな」
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