始まりよければ

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「えっと……織田くん」 「な、なにかな?」 案外深刻そうだな。 織田って平気そうに話すと思ったら違うし。 「織田くん、私好きなの。織田くんが」 「え? いや、あの、それは嬉しい。でも俺はその魅力がある人間じゃなくて」 「私からしたら魅力はあると思うの」 「あ、ありがとう。だからその……ば、場所変えない?」 織田って告白にテンパるタイプなんだ。 ちょっと意外。 キーンコーンカーンコーン あ、チャイムだ。 「出直します!」 俺の友人はどうなるのか。 それだけ、ですね。 「なあ来栖」 「なんだ?」 「断ろうと思う」 「なんで?」 「好きな人、いる」 「嘘!? そんな急ぐような展開で大丈夫か?」 「気になるのそっちかよ」
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