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一休は盃の酒をグイッと飲み干すと座禅を組んで両方の手の人差し指を頭に当てた。
「じじい、ミュージック!」
一休が叫ぶと和尚が木魚を鳴らし始めた。
ポクポクポクポクポク…チーン。
「閃いたぜ…おし、珍平!刀をよこせ!」
珍ェ門は名前を訂正する間も無く刀を一休に奪われた。一休は立ち上がるとフラフラしながら刀を抜き、将軍の前に立った。
「死ぬか、おい?」
これには将軍も慌てた。
「な、なんのつもりじゃ!何故わしが死なければならんのだ!?」
「この野郎!屏風の中の虎が退治出来る訳ねえだろう!訳の分からねえことを言う馬鹿は殺すしかねえんだ!」
叫ぶと一休は刀を振り上げた。
「わ、わ、分かった!わしが悪かった!な、無かったことにいたす!」
一休はニヤリと笑った。
「無かったことにはしねえ。俺がとんちで解決したことにしとけや。とんちの中身は珍平とよく考えとけ馬鹿野郎!」
こうして屏風の虎事件は無事解決された。寺に帰るとさよちゃんが一休に駆け寄った。
「一休さん、あたし心配して…ヘブシッ!」
「豚女!ガタガタ抜かすな!しゃぶれ…」
「そ、そんな…んっ!…んぐっ…んはぁ…ジュポジュポ…」
~第一話完~
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