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「……ッ?!」
柳川の小さな溜め息が聞こえたが てっきり身体を押し付けられているせいだと思って 知らないふりをしていた。
しかし 柳川の様子は次第に変わってゆき 固く瞼を閉じている。
「気分でも悪いのか?」
頭1つ分 背の高い俺は 柳川に視線を向け訊いてみる。
「…ぃ…ぇ… だ…大丈夫…です…」
少し顔色を白くしながら 柳川は小さく答えた。
電車に酔ったのか?
それとも 人に酔ったのか?
分からないまま 視線を広告に向けた。
俺は柳川に背中を向けた位置になっていたので 向きを変えようと試みたが 到底無理だった。
「…ハ…ァ……」
その間にも 柳川の様子は徐々に変わっていった。
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