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支炎「なにっ!?」
支炎は驚いた。龍牙のたった一言によって自分の奥義が押し戻されているのだから・・・
龍牙「支炎・・・観念しろ。お前の負けだ」
支炎「畜生ォォォォォ!!」
支炎が叫んだ瞬間、爆裂拳が消えて、エンシェントブレイカーが直撃し、支炎は吹き飛ばされて倒れ込んだ。
龍牙「おっ・・・と・・・」
命中したのを確認した瞬間、龍牙は膝を着いてしまった。おそらく安心したからだろう。
しかし、膝を着いても目線だけは支炎が倒れている場所から離さなかった。
龍牙「・・・・・・」
龍牙はゆっくりと立ち上がり、支炎の傍まで歩いて行った。
支炎「殺せ。敗者は勝者に殺される、それが自然の摂理だ」
支炎はそう言って龍牙を見る。
龍牙「・・・そうだな。お前を殺そう。この世界からな」
そう言って龍牙は手の平を翳す。支炎は目を閉じようと思ったが、ふと、あることに気がついた。
支炎「っ!?師父!!どういうつもりだ!?」
それは、龍牙が発動したのが、殺傷能力の全くない転移魔法だと気づいたからだ。
龍牙「・・・・・・」
龍牙は無言のまま、指輪を支炎の胸元に置いた。
支炎「これは・・・師父が愛用してる『ARM』じゃないか!!」
龍牙「・・・愛弟子を殺すことなんざ、俺には出来ねぇからな。別世界に転移させてもらう」
魔法陣の光が支炎を覆っていく。
支炎「待ちやがれ・・・師・・・父・・・」
龍牙「一一一一一」
龍牙は何か言ったようだが、支炎にはそれは聞こえていなかった。
しかし、読唇術でなんと言っているのかは分かった。
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