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「祐司ぃ~っ」
まるでリミッターを解除されたようにイキイキとし出した由美は両腕を広げて祐司に飛び付く。
ガッ
「アホ。家でならともかく、学校なんかでやるな」
しかし、祐司の右手に止められ、失敗。祐司の右手が顔を押さえ、親指と小指がちょうどこめかみの所をピタリと押し当てズキズキとした痛みが感じられる。
「……フフフ。祐司にやられてるなら痛みさえも快感に変わる」
「サラッと危険発言すな。アレか? ドMか? お前は一つ歳上のロリ体型のドSの部活の部長と、男性恐怖症で触れられたら思わず殴ってしまう同級生にボコボコにされて快楽を覚える主人公と同じタイプですか!?」
「あ、祐司も知ってたんだ。ちなみに祐司は科学部部長と第二ボランティア部部長どっちが好き?」
「そりゃあ俺は科学部部長派だけど」
「あたしは同級生! 男性恐怖症以外は完璧だもんね~。かぁいいよぉ~。でも祐司の寝顔以上にかぁいいものはないねっ」
祐司は無言で由美の頭を掴む右手に力を入れる。ジリジリとした痛みが頭の中を支配していくが同時に違う感覚が由美の中に生まれ始めた。
「痛い! 痛いよ祐司っ! ……もっとやって~…」
「…マジでドMに覚醒しやがったか!?」
「…あたしは祐司の玩具♪ 祐司になら何されても大丈~夫~。 むしろされたい~っ」
その瞬間パッと視界が開き、右手をピクピクと震わせながら青ざめたかつ見てはいけないものを見たような表情で祐司が由美を見ている。
「ねぇ祐司ぃ~」
「な、何だ?」
「今度は言葉で罵って? …はぅ~。想像しただけで興奮する…」
「……教室戻る」
「え~祐司ぃ~」
「お前は思春期絶頂な妹より性質(タチ)悪いわ! そいじゃ!」
まるで祐司は暴力的な幼なじみから逃げ出すように全力で逃走していった(隣の教室だが)。由美は追いかけようとしたが、ゆかなに脳天にチョップを喰らい止められる。
「そろそろ自重しなゆーちゃん!」
「…あれ? 戻った」
「ハァ……」
どうやら由美に新たな性癖が生まれてしまったようだ。
ドM。しかも、相手が祐司限定で痛みがある地点を越したら発症するらしい。しかも、祐司以外が痛みを与えたら治るという特殊な。
疲れがドッとでたとある休憩時間だった。
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