141人が本棚に入れています
本棚に追加
飯塚先生の、畳の部屋は結構広く1人じゃ、さみしいだろう…というくらいだった。
信人は先生と並んで座る。
「ここに1人で?」
「ああ、じいちゃん、ばあちゃんと、オレの3人だからな」
と、そこに、おばあさんがお茶とお菓子を持ってきた。
「たいしたもの出せないけど、良かったらどうぞ」
「ありがとうございます」
信人の前の机に、温かいお茶と、せんべい、まんじゅうが置かれる。
「ゆっくりしていってね。信人くん」
おばあさんが、いなくなると、信人は先生の顔を見た。
「ちょっと、ビックリした」
「だろうな。悪いが、家じゃ、秘め事は出来んぞ」
そう言うと、先生はニヤリと笑った。
信人は、頬を染める。
「そ、そんな事、考えてない…」
「そうかな?ま、こないだは、あんなに求めてきたからなぁ?」
意地悪を言う先生を、にらむ信人。
だが先生は、気にしていない様子。
最初のコメントを投稿しよう!