先生の家へ

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  飯塚先生の、畳の部屋は結構広く1人じゃ、さみしいだろう…というくらいだった。   信人は先生と並んで座る。      「ここに1人で?」   「ああ、じいちゃん、ばあちゃんと、オレの3人だからな」     と、そこに、おばあさんがお茶とお菓子を持ってきた。     「たいしたもの出せないけど、良かったらどうぞ」   「ありがとうございます」    信人の前の机に、温かいお茶と、せんべい、まんじゅうが置かれる。     「ゆっくりしていってね。信人くん」     おばあさんが、いなくなると、信人は先生の顔を見た。   「ちょっと、ビックリした」   「だろうな。悪いが、家じゃ、秘め事は出来んぞ」     そう言うと、先生はニヤリと笑った。     信人は、頬を染める。   「そ、そんな事、考えてない…」   「そうかな?ま、こないだは、あんなに求めてきたからなぁ?」     意地悪を言う先生を、にらむ信人。   だが先生は、気にしていない様子。
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