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遥か彼方の上空から飛竜の脳天目掛けて踵を振り落とす。
轟音が辺りを震わせ、拡散する。
飛竜の頭の鱗のいくつかが飛び散り、いくつかに割れ目が生じ、赤黒い液体を迸らせたのを確認。
ニヤリ、とほくそ笑む。
体で一番硬い部分である踵。その一撃を喰らい今まで倒れなかった人外には未だお目にかかった事がない。
オレは満足げに飛竜を見やる。
だが、飛竜は苦しげに唸るばかりで倒れる様子は微塵もなかった。
まずい。空中では身動きをとれないんだよな、ちくしょうが。
無防備……そんな状況。どうやら慢心がアダに出たらしい。自分の顔が引き攣るのが分かる。
この隙を逃すつもりは毛頭ないらしく、飛竜の口内が先程と同様に赤く輝き出す。
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