1784人が本棚に入れています
本棚に追加
オレが行動を取るより早く、火球は放たれた。
予想通り今までとは比べモノにならない巨体だ。奥歯を噛み、真っ正面から火球を見据える。
自らを鼓舞し、足を大きく踏み込み出して、迫ってきた熱の弾丸を、殴る!
轟! 音が辺りに拡散した。
火球の衝撃がオレの体躯を伝わり地面を円形状に盛り下げる。
だが、倒れるわけにはいかない。ここで倒れる事は死ぬ事を意味してるのだから。
足を更に一歩前へと踏み出す。歯を食いしばり、顔を上げる。
そして――火球を木っ端微塵に破壊した。
痺れるような余韻が体を伝う。
次に顔を上げた時。飛竜が呆然と立ち尽くす姿が目前に広がっていた。底知れぬ達成感からか、自然と笑みがこぼれ出る。
最初のコメントを投稿しよう!