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「これで……終わりだぁああ!」
最大限の力を込めて右拳を突き出し、フィニッシュ。長い無酸素運動を終えたオレの頬を一筋の汗が伝う。
倒れろ!
そう願いながら、飛竜へと目をやる。
そこには低い唸り声を上げながら、その場に頽れた飛竜の姿があった。
願いは叶ったらしい。「ふぅ」と安堵の息を漏らす。
良かった。
《拳の乱舞》は超連続打撃技だ。
体力も沢山消費するし集中力も削る。もし今ので倒れなかったら……、という事は考えたくもないね。
「あ、ありがとうです」
ゴスロリ少女が緊張した様子でオレに話しかける。
「いや。別に礼なんか言われるような事してないから」
大型肉食獣を連れてきてくれたんだから、むしろオレの方が礼を言いたいぐらいである。
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