この手は絶対に離さない!

24/30
前へ
/450ページ
次へ
先程の飛竜を片手で持ち上げるとアスカを置いて歩き出す。 「え、待って下さいですよー」 アスカが小走りする音がオレを追い掛けてきていたが、すぐに止んだ。不思議に思い振り返る。 アスカは豪快に転んでいた。 先が思いやられる。オレは大きく溜め息を吐いた。 ☆ 3時間は経っただろうか。 今までオレの後ろを黙ってついて来ていたアスカが不意に話しかけてきた。 「あ、あのー。先程のお二人はどうされるのですか?」 「先程の二人って、誰?」 「ええと、英雄が何とかって叫んでいた方と私に抱き着いてきた方の事なんですが……」 「ああ、馬鹿野郎と犯罪者の事か」 確信を持って「大丈夫だ」と答える。 リタイアを意味する花火を二本打ち上げておいたからな。すぐに救護部隊が二人を助けに行くだろう。
/450ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1784人が本棚に入れています
本棚に追加