この手は絶対に離さない!

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「じゃあ、原点に戻って勇者で妥協します!」 それは、妥協してんのか? 「とりあえず、もう一度却下な」 「なら私は……却下される事を却下するです!」 「ひでー」とオレは重苦しく溜息を吐く。 「なんで初対面に対して、んなに口が悪いんだよ……」 ずっと疑問に思っていた事を吐露したのは、ホントにウザく感じたからである。 「なんせ、まだまだ子供ですから」 彼女は、そういうとニヤリと笑いやがった。 そんな言動に……大人げないのだが……ムカついちまったオレは、ペースを上げて歩く事にした。 面倒だから完全に無視してやろうよう、と決意したのだ。 急にペースを上げたオレに対し、背の小さいアスカはそれに追いつこうと自然と小走りになる。 「なんでペースを上げるのですか、『勇者様』!」 何が楽しいのかしらんがアスカの声は弾んでいる。 クソ。助けなけりゃよかったよ。オレは唇を尖らせて空を見上げた。
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