この手は絶対に離さない!

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☆☆☆ 「やっと森を抜けれたな……」 日が傾きかけた頃。 オレは歩くペースを上げた為に崩れちまった息を整えながら呟き、周囲を見渡す。 試験に使用された森を抜け、王国へと入国。更に南へと突き進んだこの辺りは、夕日に照らされ赤く映えた見晴らしのいい草の絨毯が広がっている。 いわゆる草原。 飛竜を肩に担ぎ直したオレは、その中に延びる土を固めただけの一本道を歩いていく。 「疲れましたですよー。まだ着かないのですか?」 少女が疲れた顔で弱音を吐く。 「ああ。もう、着くぜ」 「嘘だっ!」 おい、その元気は何処から来るんだ? 是非教えてくれないだろうか。つーか、弱音を吐いたのはお前だろうが、少しは反応してやったオレに感謝しろよ、……なーんて思ったりもしたが――とにもかくにも。 「嘘じゃないさ」 んな事しても意味ないだろうが。 「ほら、前を見てみろよ」 アスカを促し目線を前方へと向けさせる。
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