アタシの蹴りを喰らえば良いんじゃない?

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「お前……。こんな巨体をよく一人で運んで来れたな……」 外壁の前までたどり着いたオレとアスカを待ち受けていたのは、体つきのいい野生の獣を思わせる顔立ちの教官であった。 オレが肩から下ろした飛竜を見つめながら、彼は訝しげに言う。 ちなみに、この教官は生徒内で鬼神と(裏で)呼ばれている。 名前の由来は、罰を犯した生徒に死後の世界を垣間見せるような厳しい罰を与える残酷さ、誰も刃向かえない腕力を持っている辺りから来ているらしい。 《能力者》ではないのか? と真(まこと)しやかに囁(ささや)かれる程なのだから、相当の腕前である事は間違いない。
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