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こんな時。普通の親ならどんな反応をするものだろうか?
意地を張ってる事を怒るのだろうか。それとも、そんな意地を無視して手当をするのだろうか。はたまた、それでも優しく説き伏せようとするのだろうか。
……オレには解らん。
だが、親父が凄くかっこよくて意地を張ってる自分が小さく見えたのを今でも覚えてる。
傷の痛みによるモノとは違う……今でも理解出来ないのだが……涙が込み上げてきたっけ。
「おいてくぞー!」
親父が遠い遠いけもの道の向こうから、よく通る力強い声を上げる。
我に返ったオレは涙を袖で乱暴に拭き取り、痛む足を声のする方へと前へ前へと必死に動かした。
日の光をバックにして立っていた親父はどんな表情を浮かべていたのだろうか?
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