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笑っていただろうか。意地を張るオレに呆れていたのだろうか。いや、もしかしたら怪訝で不愉快な顔をしていたのかもしれんな。
しかし、知る術はもう無いのだ。
願望を言うと嬉しそうに笑っていて欲しい。もっと言うと、親父の笑顔を目に焼き付けておきたい、と今になって悔やまれる。
まさか、一瞬で失ってしまうとは思っていなかったから。
まさか、永遠にあの笑顔を見れなくなるなんて思っていなかったから。
「Shall We Dance?」
親父の口癖を呟き空を見上げる。
親父のような一流の狩人の息子がこんな事で泣いてはいけないのだ。
これはそんなオレの物語。
魔王とオレの物語。
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