この手は絶対に離さない!

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……まあ、オレはそんな事を気にしたりはしないわけだが……。 問題は、今回の試験に採用された森だ。 暑く体中を砂が包みこんじまう砂漠も、ジメジメとした湿地の多い沼地も嫌いだが、木々が邪魔で視界が悪く走りにくい事で有名な森を、オレは一番嫌っている。 集中力や体力の消費も激しく、嫌気がさしてならんからな。 「いくらなんでも、つらすぎるよな……」 俺の気持ちを察したのだろうか。 ふと、同じパーティーの男子学生(……コイツの名前をオレは知らん。仕方ないので<馬鹿野郎>と呼ぶ事にする)が弱音を吐く。
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